SF最高傑作ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」感想・あらすじ

星を継ぐもの (創元SF文庫)

ジェイムズ・P・ホーガン

「星を継ぐもの」

★★★★☆

月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作。 

1980年に出版された本書は、舞台となった2020年代に近づいている今となっても色あせないSF界の超巨匠的存在である。 SFにほとんど興味が無かった僕は友達から紹介されるまでタイトルすら聞いたことがなかったが、どうやらそうらしい。

SFへの興味の無さは群を抜いているが、最近宇宙にハマってることもあり、宇宙好きの友達からのおすすめでもあったため読むことにした。

読めば読むほど世界観にズブズブと入ってしまう本書に夢中になって数日、毎晩寝る前に楽しみに読み、ついつい読みすぎて寝不足で仕事に行く毎日だったがそれでも後悔しないくらい楽しかった。「星を継ぐもの」は楽しかった!

まだ読んでいない人のために本書についての説明。①よく分からないプロローグ、②専門用語だらけの謎解き、③解決!の3部構成になっている。これは僕が勝手に分けた3つだ。

①よく分からないプロローグ

プロローグでは、月にいる2人のシーンから始まる。内容に前知識が無かった僕は、頭の中が???となることが多く、挫折しかけた。

同じ気持ちになったみなさん。こんなところで本書を投げ出してしまってはもったいないよ。プロローグを理解していた方が、②や③でより楽しめるのは間違いないけど、辛かったら読み飛ばしてもいい。最後に戻って読んでもいい。なんとなーく話をつかんでおけば十分だから先に進もう。

②専門用語だらけの謎解き

地球人なのかもよく分からない死体が見つかったら謎と解くのが小説だ。ここで謎に興味を示さないような奴は小説の主人公になんかなれっこない。

謎解きでは、各分野のエキスパートたちが集まり、それぞれの専門分野の切り口から1つ1つ解明していく。この②では専門家同士の論理と論理のぶつかり合いが専門用語を交えて起こる。集中して読んでいないとすぐに文章から振り落とされそうになる。宇宙に関する専門用語は理解しづらいし、1980年に書かれたフィクションの宇宙に関する設定のどこまでが正しく、どこまでが空想かも分かりにくい。それでも専門家が導き出す仮定には説得力があり、エキスパートの凄さを実感したりする。

この②が長い。とにかく長い。本書の大部分は謎解きである。最近の物語だったら冗長な謎解きの合間に恋愛要素なんかを入れるんだろうけど、本書ではほとんど無いに等しい。ただただ専門家たちが純粋に目の前の疑問を解決するために力を惜しまない。

中には飽きてくる読者もいるだろう。しかし、こんなところであきらめてしまってはもったいない。よく分からないところは飛ばせばいい。前に進もう。

③解決!

③では2段階でこれまでの疑問に対する、ある種の解答を得ることができる。このカタルシスがたまらない。じっくりと②で専門家たちと悶々としていたからこそ、そういうことだったのか!と感動の瞬間を迎えることができる。そして、プロローグに想いを馳せる。どれくらい覚えているだろうか。あとはじっくり本書の読了感に包まれよう。

読むのが辛いよ

傑作ではあるが読むのに体力が必要な小説でもある。読むのが辛いよって人も安心してほしい。なんと漫画版もある。都内の漫画喫茶では取り扱っているところもあるようだ。設定が異なるところはあるが、一気に3部作分読むことができる。

そう、実はこの小説は3部作となっている。僕も引き続き小説の2部と3部を読もうと思う。傑作「星を継ぐもの」は、僕のように宇宙に興味がある人にはぜひ読んでもらいたい。

1部「星を継ぐもの」

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 2部「ガニメデの優しい巨人」 

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

 

 3部「巨人たちの星」

巨人たちの星 (創元SF文庫)

巨人たちの星 (創元SF文庫)

 

 漫画版

星を継ぐもの コミック 1-4巻 セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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