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村上春樹が文章を書くときに大切にしている2つのこと「みみずくは黄昏に飛び立つ」

フジワラヨシトです。

本日紹介するのはこちらです。

みみずくは黄昏に飛びたつ

みみずくは黄昏に飛びたつ

 

どんな本?

川上未映子が、村上春樹にインタビューしています。

川上未映子はひるむことなく何度も村上春樹にくらいついて質問をしていました。特に小説での女性の書かれ方について、少しヒリヒリするような会話にもなっていました。

他にも小説の書き方については、さすが小説家どうしの深イイ話でした。

自分の中の地下2階を書くことや、人称や名前の決め方、何回校正するのかなど、様々な切り口で話していました。

村上春樹の小説は、デビューしたころは1人称で、その後3人称を書き、「騎士団長殺し」でまた1人称にもどってきたという「人称」の変遷についてがおもしろかったです。

予定調和でない会話を楽しめます。

記事執筆時(2017年12月14日)現在のアマゾンの評価は4.3です。

 

 

 

村上春樹が文章を書くときに大切にしている2つのこと

1、会話

ひとつはゴーリキーの『どん底』の中で、乞食だか巡礼だかが話してるんだけど、「おまえ、俺の話、ちゃんと聞いてんのか」って1人が言うと、もう1人が「俺はつんぼじゃねえや」と答える。(中略)普通の会話だったら、「おまえ、俺の話聞こえてんのか」「聞こえてら」で済む会話ですよね。でもそれじゃドラマにならないわけ。「つんぼじゃねえや」と返すから、そのやりとりに動きが生まれる。単純だけどすごく大事な基本です。

こんな風に、会話が魅力的な小説って読んでてとても楽しいです。会話がおもしろいといわれて、ふと伊坂幸太郎のチルドレンを思い出しました。

 

2、比喩

チャンドラーの比喩で、「私にとって眠れないよるは、太った郵便配達員と同じくらい珍しい」というのがある。これは何度も言っていることだけど、もし「私にとって眠れない夜は稀である」だと、読者はとくに何も感じないですよね。普通にすっと読み飛ばしてしまう。

村上春樹といえば比喩というイメージがあります。比喩の効果は、すっと読み飛ばしてしまうところに、ひっかかりを作ることで読者が退屈せずに楽しむことができることです。

 

村上春樹入門書としておすすめ 

これまでの村上さんの本をもとにインタビューが行われるので、本当はそれらを読んでからのほうが楽しめます。特に、職業としての小説家騎士団長殺しあたりです。

ただ、村上春樹の小説がとっつきにくいと感じている人は、本書から始めることで、村上春樹の小説に対する考え方がわかり、小説にも興味が出るのではないかと思います。

わたしも、村上春樹のエッセイをたまたま読んだことで、小説にもハマりました。

そんな訳で、村上春樹の小説を読んだことがない人にこそおすすめです。

 

 

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